土塊の魂。

沖縄で旅を伴にした“マロ(我が店の常連)”から、爺ちゃんの墓標がある糸満の平和祈念公園にあるコンピューターより出力された墓標刻銘簿を頂いた。
平和祈念公園とは、沖縄戦で戦死した人々の名前が墓標に刻銘されている場所である。
3年前に俺は訪れている。
以前は県ごとに分離されていた墓標を、近年ひとつに祈念した。
※刻銘されていない例外もある(その理由は各々調べて欲しい)
沖縄で戦死した爺ちゃんの墓標を“マロ”たちが手を合わせに行ってくれたのだ。
ありがたい。
しかし、刻銘簿の写真をジックリ見てほしい。
“和気政勝”
爺ちゃんの名だ。
住所は栃木県。
あとは死亡年月日も死亡場所も記載されていない。
追記にて“各都道府県からは氏名のみのデータ提供のため…”
と記されてはいるが実際、爺さんが沖縄のどこでいつ死んだのか、判っていない。
これを見るたび、悔しさと無念さが滲んでくる。
爺ちゃんが死ぬとき見上げたのは蒼い空か?それとも星か?
あるいは、無惨にも撃たれ横たわり泥の大地か?
俺は知りたい!
どんな思いだった?
まだ赤ん坊だったろう親父が気懸かりだっただろう。
この一枚の紙切れに記されているのは名前だけだ…
もう、何かを俺に教えてくれる人もいない。
しかし、その血が脈打つ俺の鼓動をおさめる事は出来ない!
沖縄の土塊となった爺ちゃんよ。
あの世で親父と再会したか!?
俺は生きてるぜ。
魂となり…



